代表挨拶

ご挨拶message

理事長 木村 彰宏「臨床力」を磨く。それが研究会の目指すものです。

「臨床力」聞きなれない言葉かも知れません。わたし達臨床医にとって、一番に求められる力、それが「臨床力」です。「臨床力」とは、わたし達、医師が患者さんと向かい合う時に必要とされる総合的な力量です。「臨床力」を細かく見ますと、診断力、治療力、技術力、説明力、そして人間力に分けることができます。

わたし達は、臨床医を目指そうと志したその瞬間から、「臨床力」を磨く道を歩き始めます。教科書で学び、学会や研究会、研修会に出席し、学術発表や講演を行い、それを論文にまとめます。そこで養った「臨床力」を身につけて、患者さんと対峙するわけですが、ある時は感謝され、ある時は拒絶に出会います。そのたびごとに「臨床力」と言われる目標の高さと奥深さを思い知らされます。どれだけ頑張っても「臨床力」は、一人では高めることができません。従来の自分が持つ「臨床力」の到達点を、あと一歩踏み越えることができないだろうか。そのような思いから、「兵庫食物アレルギー研究会」は発足しました。1991年2月に4名で発足した会は、現在会員数30名を超えるまでに成長しました。

毎月1回開いてきた例会は、280回を超るまでになりました。そして、2015年9月1日より「兵庫小児アレルギー研究会」と名称を改め、一般社団法人を目指して手続きしています。例会では、知りたいテーマ、確かめたいことを会員から募集し、その道の専門家に講義していただいています。質問は随時お受けいただくように講師の先生にお願いし、疑問に思った事をその瞬間に解決できるよう運営を心がけています。的確な質問は、会員の理解を助けます。講師の先生方のモチベーションを高めます。積み上げてきた例会は、一人ひとりの会員の「臨床力」をしっかりと高めてきたと自負しています。

兵庫食物アレルギー研究会は、積み上げてきた「臨床力」を書籍に表わすことにも勤めてきました。「食物アレルギーの治療と管理」「食物アレルギー・外来診療のポイント63」「保護者と学校の先生に伝えたい、食物アレルギーの基礎知識」「Q&Aでわかる0・1・2・3歳の食物アレルギー相談対応ブック」、「防ぎたい迷わないいざというとき学校現場で役に立つ食物アナフィラキシー対応ガイドブック」の5冊をこれまでに改訂も重ねながら出版させていただきました。

患者さんの「治りたい気持ち、治したい気持ち」を育てるお手伝いができるよう、これからも「臨床力」を高め、深めていきたいと思います。小さな研究会ですが、先生方のご参加を心からお待ちしています。

兵庫小児アレルギー研究会
理事長 木村 彰宏

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